『eye for art』実証デモンストレーション

2022年2月8日、株式会社梅ノ木文化計畫は、東京都立総合芸術高等学校においてVR(バーチャルリアリティ)技術を活用した芸術教育プログラム『eye for art』の実証デモンストレーションを行いました。高等学校での授業における初めての運用事例となります。

2021年より、東京国立近代美術館武蔵野美術大学彫刻学科とともに、VR技術等を活用した芸術教育構築プロジェクトをスタートさせました。本プロジェクトは、VR等の先端技術が芸術教育にとって有効な手段になり得ると考え、芸術教育に特化したVRコンテンツ/ツールを含めたプログラムを産学共同で研究、開発を行っています。

今回のデモンストレーションでは、東京国立近代美術館所蔵の彫刻を、高解像度360度カメラ(3D10K)等で撮影し制作したVR教材『見ることは作ること 彫刻編〜荻原守衛《女》』を、総合芸術高校美術科1、2年生の皆さんに体験していただきました。

生徒と先生は、VRゴーグル(Meta Quest 2、旧名:Oculus Quest 2)を装着して、弊社開発のVRプラットフォーム上で教材を体験しました。本プラットフォームは教育現場のニーズに対応して、生徒と先生が遠隔にいても同じVR空間に入り、360度映像を一緒に見ながら授業を進めることができようになりました。視聴後、彫刻作品や授業で使っている石膏像を3Dモデル化してVR空間にインポートし、体験者全員で彫刻の作られ方や大きさを比較検討しました。

「通常立ち入ることが難しいアトリエや制作現場の体験」「芸術家の制作を至近距離・360度の視点で観察」することが、「作品分析・鑑賞の経験」と結びつくことで、質の高い教育、学習効果を得られます。

体験した生徒の皆さんからは、「短時間でその場にいるような感覚を得た」「作品を意識的に見ることができた」「映像はVR感がなかったが、3Dモデルの石膏像は綺麗で感動した」「現実のサイズを再現しても実感が湧かない、巨大化したらどうか」「彫刻を“事物”として見るという指摘が面白い」「塑像、石膏取りなど作業的な部分にも創作的な工夫があることがわかった」など、鋭い指摘と理解の深りがわかる感想がありました。

担当の先生は、「距離や時間を飛び越えて、様々な場所で見学、学習できることが素晴らしい」「授業内容と合致し、とても有意義だった。3DVRの可能性が判り、教員側の驚きは大きかった。生徒たちはここから何かを見つけるきっかけを得たと思う」とのことでした。

『eye for art』によって、芸術作品の成り立ちを理解し、芸術の思考と制作のエッセンスを学ぶことができるでしょう。作ること(制作)と見ること(鑑賞)が一層強く結びつき、新しい創造につながることを期待しています。

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協力:株式会社ベクターデザイン株式会社K-relationsPERCH